夏は目の前。薄着になると、おなかの出っ張りが気になるもの。単にスタイルの問題ではなく、脂肪の付き方によっては健康にもかかわる。おなかの脂肪を効果的に減らす有酸素運動とおなかを引き締める腹筋運動を組み合わせて、ウエストシェイプしよう。
年をとると代謝が衰え、余分なエネルギーが脂肪に変わりやすい。内臓周辺に付く内臓脂肪がたまると前に張り出すようにおなかが出てくるし、主に皮膚の下に付く皮下脂肪がたまるとおなかの下の方が出やすくなる。これが出腹のメカニズムだ。内臓脂肪は男性、皮下脂肪は女性がそれぞれ付きやすい。
磯子中央・脳神経外科病院(横浜市)の成人病科部長・健康管理センター長を務める土田隆医師は「内臓脂肪が増えると高脂血症や動脈硬化につながる。皮下脂肪も多すぎれば成人病になりやすい」と警告する。
では脂肪をどうやって減らすか。内臓脂肪と皮下脂肪は性質に違いがあるが、有酸素運動が効果的である点は同じだ。有酸素運動とは、酸素で脂肪を燃やしてエネルギーに変えたりする運動のこと。
ウォーキングの基本
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自転車エアロビクスなどもあるが、簡単なウォーキング(歩行運動)がおすすめ。皮下脂肪に悩む人は同時に食事量を見直すと、より効果的だ。
脂肪が最も効果的に燃えるのは、心拍数が健康成人で毎分120程度、60歳以上で100−110程度。「隣の人と話ができる範囲で、ちょっときついと感じるぐらいのペースがメド」(土田医師)。息も絶え絶えでは脂肪よりも糖質を消耗し、長時間の運動ができない。
運動の時間と頻度について、土田医師は「自分が継続できるペースにすることが肝心」と話す。一昔前は「有酸素運動は20分以上続けないと脂肪は燃えない」といわれたが、3分以上で燃える。忙しければ10分ずつ数回に分けるのも手だ。頻度は週3日程度から初めてみよう。
有酸素運動の後はストレッチ運動をして、仕上げに腹筋運動をしよう。腹筋運動では皮下脂肪は燃えないが、ゆるんだ筋肉を引き締めウエストを絞る効果がある。
あおむけの状態でひざを曲げ、手を頭の後ろに組んで、息を吐きながら、ゆっくり状態を起こす アゴを引いて、おへそを見るようにするといい。
腹筋運動というと、伸ばした脚を他人に押さえてもらって屈伸することを思い浮かべる人が多いだろうが、ひざを曲げないと背骨に無理な負担がかかって腰をいためやすい。
上半身を大きく起こす必要はない。上体を上げれば上げるほど、おなか以外の筋肉に不可が分散しがちだからだ。持ち上げる時間を長くすれば負荷が高まる。「どうしても上がらない」という人は腕を前で組むと負荷が軽くなる。
回数は10−15回と、思いのほか少なめがメド。武道「躰道(たいどう)」の世界選手権日本代表で、フィットネスクラブ「ノーチラスクラブ池袋店」(東京・豊島)のコーチを務める星野万里子氏は「回数を多くするより、腹筋が固くなっている状態を意識することが大切」と話す。
わき腹を重点的に締めるには、基本の方法に左右のひねりを加える 回数はやはり10−15回。
下腹を鍛えるには、手を後ろにつき、ひざを曲げて、腹筋が一番縮んだと思うところまでひざを持ち上げる。これも10−15回が目安。ひざを持ち上げたままで手も上げた姿勢を続けてもいい。「テレビCMの間だけでもやってみるといい」(星野氏)
腹筋は衰えやすい筋肉なので、毎日鍛えることが望ましい。今から始めて夏に間に合う保証はないが、継続は力なり。来年の夏にはすてきなおなかになろう。
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