「血の気が多い」という表現があるが、本当に血液が濃い人は「多血症」の疑いがある。赤血球の量が少な過ぎる「貧血」に対し、何らかの原因で増えすぎるのが多血症だ。正常な男性の場合、血液1立方ミリメートル中の赤血球は最高550万個程度だが、多血症では600万個を超す。
多血症になると、血液中の液体成分が減少し、粘度が高くなるから、血管の柔軟性が失われたり、血が固まりやすくなったりして、酸素供給量が減る。その結果、動脈硬化や血栓症、脳こうそくや心筋こうそくを起こしやすくなる。
最近増えているのが、ストレスが原因の「ストレス多血症」。中間管理職クラスの中高年男性に多い。太り気味で赤ら顔、酒やたばこ好きの人は要注意。また、夏場は脱水症状から、一時的に多血症にかかる恐れがある。十分な水分補給を心がけよう。
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