メラトニンサプリメント、緑茶抽出物、他の補助的治療も倦怠感の緩和に有効である可能性
Charlene Laino
WebMD Medical News
【オーランド 1月28日】高力価のビタミン、メラトニンサプリメント、その他の補助的治療法が、進行膵臓癌患者の多くにみられるやっかいな疼痛および倦怠感の緩和に有効である可能性が新しい研究で示唆されている。
「疼痛と倦怠感はこのような患者らにとって非常に大きな問題である」と研究者であるCancer Treatment Centers of America(イリノイ州ザイオン)の統合医学部門副責任者であるTimothy C. Birdsall, MDは述べる。
「多くの患者がひどい痛みのために鎮静されてしまう用量の麻薬を必要とする場合も多い。倦怠感が強いために起き上がったり、動き回ったりすることができない患者も多い。このような患者は一日の大半を座った状態や、ベッドに横たわった状態で過ごしている」とBirdsall博士はWebMDに語る。
ビタミンが疼痛管理に有効
Birdsall博士らは、進行膵臓癌で、化学療法を受けた患者(一部の患者は放射線療法も併用)50例を対象とした試験を実施した。
被験者はすでに疼痛のため麻薬および抗炎症薬の投与を受けていた。「倦怠感のためにできることはまったくない」とBirdsall博士は述べる。
被験者50例中36例は、主として緑茶抽出物、メラトニン、高力価マルチビタミン(ビタミンC 1,000mgおよびビタミンE 400国際単位以上を含む)からなる補助療法を受けた。
試験開始時には、補助的治療を行った群では、疼痛が耐えられる範囲と判定された被験者は40%であり、6ヵ月後には67%で疼痛が耐えられる範囲となった。対照的に、補助的治療を行わなかった群では、開始時に疼痛が耐え切れる範囲であったのは35%で、6ヵ月時にはこの数字が22%に低下したことが本試験から明らかになった。
補助的治療によって倦怠感が緩和
被験者に対し、倦怠感を0(倦怠感なし)から100(「最悪の衰弱性の倦怠感」)の100ポイントスケールで評価するよう求めたとBirdsall博士は述べる。
ビタミンまたは他の補助的治療を行った被験者の試験開始時の倦怠感評価の平均は55ポイントであり、3ヵ月後には35ポイントに低下し、6ヵ月間の試験中、この状態が持続した。
対照的に、補助的治療を行わなかった被験者の倦怠感の評価は、開始時に平均45ポイントであり、6ヵ月後には65ポイントに上昇した。
「膵臓癌患者において、補助代替療法によって倦怠感が改善し、従来の麻酔薬による疼痛管理の有効期間が延長する可能性がある」とBirdsall博士は述べる。
この知見は、American Society of Clinical Oncologyと他の3つの有力な癌治療団体の共催によるGastrointestinal Cancers Symposiumの年次総会で報告された。
治療が倦怠感の原因となりうる
メイヨークリニック癌センター(アリゾナ州スコットデール)の臨床部門副部長であるLeonard Gunderson, MDは、通常、頑固な疼痛は癌自体によって引き起こされる
とWebMDに語る。また膵臓癌患者の約50%では癌の治療に用いられる薬剤または放射線によって倦怠感が引き起こされるとGunderson博士は述べる。
補助的治療は従来の治療法と併用した場合に有用である可能性があるとGunderson博士は述べるが、「これらを標準的療法の代用とすることには意味がない」と付言している。
また、補助的治療の中には癌治療の有効性を低下させる可能性があるものもあるため、補助的治療を行っている場合は、医師にその旨を伝えるべきであるとGunderson博士は述べる。
Gastrointestinal Cancers Symposium, Orlando, Jan. 25-27, 2008.
Timothy C. Birdsall, MD, vice president for integrative
medicine, Cancer Treatment Centers of America, Zion, Ill.
Leonard Gunderson, MD, deputy director for clinical
affairs, Mayo Clinic Cancer Center, Scottsdale, Ariz.
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