ダイエットの続かない大きな原因は、食べたいものが食べれない、特にエネルギーの高い肉類や脂肪が食べられないからだ。身の回りには、油脂を使ったおいしい食べ物がみちあふれ、その誘惑に打ち勝つのは大変である。日常、肉や脂肪を常食しているアメリカでは、ダイエットは至難の業。アメリカでそうした状況の中で、心臓病の外科医であるドクター・アトキンスが唱えたダイエットが、大流行している。
この方法は、パン、パスタ、果物、砂糖などの炭水化物食品を極力抑え、かわりに肉、魚、卵、チーズなどのたんぱく質食品や脂肪、野菜はとってもよいという。その結果、特別エネルギー計算をせず空腹感なく減量できたので、多くの人たちから支持を受けた。しかし、しっかりしたエビデンス(医学的根拠)がなかったので、学者から信用されなかった。
しかし最近、世界的に有名な医学雑誌「JAMA」は、アトキンスの低炭水化物、高たんぱく、高脂肪食品を他のダイエットと比較している。すなわち
1.エネルギーを制限せず、高炭水化物、低脂肪食でとる方法
2.摂取エネルギーを炭水化物、脂肪、たんぱく質で4対3対3の割合でとる方法
3.エネルギーを制限し、高炭水化物で飽和脂肪は10%以下に抑えてとる方法
と比べた。すると、12ヵ月間で、アトキンスダイエットでは4.7キログラム減量したが、その他のダイエットでは平均2キログラムちょっとしか減量しなかった。またアトキンスダイエットでは血中中性脂肪値が低下し、善玉のHDLコレステロール値が上昇した。実行しやすいので試してみてはいかが。
(新宿医院院長 新居 裕久)
|