ビタミンCが痛風予防に効果

前向き研究によると、ビタミンCの摂取量がより多いことは痛風リスクがより低いことと独立した関連がある

Laurie Barclay

【3月10日】ビタミンCの補充が痛風の予防に役立つ可能性があるという前向き研究の結果が、『Archives of Internal Medicine』3月9日号で報告された。

「いくつかの代謝研究と最近の二重盲検プラセボ対照ランダム化試験において、ビタミンC摂取量の増加に伴い血清尿酸レベルが有意に低下することが認められている」と、バンクーバー総合病院とブリティッシュコロンビア大学(カナダ、バンクーバー)のHyon K. Choi, MD, DrPHらは論文で述べている。「それでも痛風リスクとの関係は不明である」。

1986 - 2006年に、治験責任医師らはベースライン時に痛風の既往がなかった46,994例の男性被験者におけるビタミンC摂取と偶発的に認められる痛風のリスクとの関連を評価した。補足的な質問票を使用して米国リウマチ学会の痛風の基準を確認し、妥当性が証明された質問票を使用して4年毎にビタミンCの摂取量を調査した。

20年間の追跡調査期間中に、偶発的な痛風の症例が1317例確認された。ビタミンC摂取量が250mg/日未満の男性と比較して、ビタミンCの総摂取量が500 - 999mg/日の男性における痛風の多変量の相対リスク(RR)は0.83(95%信頼区間[CI]、0.71 - 0.97)であった。ビタミンC摂取量が1000 - 1499mg/日の男性のRRは0.66(95% CI、0.52 - 0.86)であり、1500mg/日以上の男性のRRは0.55(95% CI、0.38 - 0.80;傾向に関してP<0.001)であった。1日の総ビタミンC摂取量の500mgの増加に関連した多変量のRRは0.83(95% CI、0.77 - 0.90)であった。

これらの関連は、食事に関係した痛風のリスクファクターや他の痛風のリスクファクター(BMI、年齢、高血圧、利尿薬の使用、アルコールの摂取、および慢性腎不全など)とは独立しており、BMI、アルコールの摂取、および乳製品の摂取によって層化した各サブグループにおいて認められた。

ビタミンCを補充しなかった男性と比較して、1000 - 1499mg/日のビタミンCを補充した男性における痛風の多変量RRは0.66(95% CI、0.49 - 0.88)であり、1500mg/日以上では0.55(95% CI、0.36 - 0.86)であった(傾向に関してP<0.001)。

「ビタミンC摂取量がより多いことは、痛風のリスクがより低いことと独立した関連がある」と研究著者らは述べている。「ビタミンCの補充が痛風の予防のために有益である可能性がある」。

本研究の限界には、食事の摂取について質問票によって自己報告したこと;観察研究のデザインであること;関節液中の尿酸結晶の観察によって痛風の診断を確認していないこと;および医療関係者に限定されているため、一般化の可能性が限られることが含まれる。

米国国立衛生研究所とTAP Pharmaceuticals社が本研究を部分的に支援した。研究著者らは関連のある金銭的関係はないと発表している。

Arch Intern Med. 2009;169:502-507.

Medscape Medical News 2009. (C) 2009 Medscape

 

2009.3.17 提供:Medscape