カフェインの効能、運動後の筋肉痛に効果?

運動した後、筋肉痛になる?カフェインを摂りなさい
コーヒーなどの飲料に含まれるカフェインが運動による筋肉痛を軽減することが研究で明らかに

Bill Hendrick

【4月2日】カフェインによって運動による筋肉痛が軽減されることが新規研究で明らかになり、コーヒーが文字通り健康を増進する一杯になる可能性があることを示唆している。

イリノイ大学の研究者らは、多量のカフェインを摂取する若年男性だけでなく、そうではない若年男性においても、カフェインの摂取に関連して疼痛が軽減することを見出した。

研究者らは、大学生に相当する年齢の健康な男性25例と、運動する必要のある試験への参加の契約を結んだ。一部の男性は普段からカフェインを摂取しており、平均して1日にコーヒー4杯に相当する量を飲んでいたが、他の男性は誰もそれほど多くを飲む習慣がなかった。

被験者らは、最大酸素消費量を測定するためにエクササイズバイクを用いた最初の運動試験を受けた。その後、監視下での高強度の30分間の運動試験を2回受けるために、再来院した。各試験の間には1週間の間隔をおいた。男性らには試験日の前にはカフェイン、アルコール、および運動を控えるように指示した。

1回の試験では、高強度の運動を行う1時間前に男性にプラセボ錠を服用させた。もう1回の試験では、運動の前に男性にカフェインの錠剤(コーヒー2.5 - 3杯に含まれるカフェインと同じ量)を服用させた。

イリノイ大学の研究者らは、酸素消費、心拍数、および作業量に関するデータを収集しながら、男性が大腿四頭筋の筋肉痛をどのくらい感じているか定期的に質問した。

研究者らは、カフェインを投与した後は、プラセボ錠を投与した後と比較して、大腿四頭筋の筋肉痛が統計学的に有意に軽減したことを見出した。カフェインを摂取する習慣があった男性も、カフェインを摂取する習慣がなかった男性も、運動試験の前にカフェインを摂取することによって疼痛が軽減した。

研究は『International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism』4月号に掲載されている。

カフェインはどのようにして筋肉痛を軽減するのか?

研究者らの1人でありかつては自転車競技の選手であったRobert Motl, PhDは、「脂肪の代謝を促進するのに役立つだろうという考え」が動機となり、カフェインを含有する様々な物質を摂取することが運動選手にとってますます一般的になっていると述べている。

しかしその考え方は説得力のある研究によって支持されていないと博士は述べている。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の運動学と地域医療の教授であるMotl博士は、以前の研究においてカフェインが疼痛処理に関係する脳および脊髄のシステムに作用することを見出しており、そのことから、カフェインが疼痛を軽減できるのではないかと推測するようになった。

「[この研究における]我々の予想外の知見は、普段カフェインを摂取することがない人々と、日常的に摂取している人々において、カフェイン摂取後の運動中の疼痛が、同じ量だけ軽減したことである」と博士はニュースリリースで述べている。

さらに研究を進めることによって、疼痛軽減が運動選手の成績の改善をもたらすことができたかどうかが明らかになる可能性があると博士は述べている。

「もしあなたがジムに通って運動し痛みを感じると、疼痛は運動を止めるように教える嫌悪刺激であるため、運動を止めてしまいがちだろう」と博士は述べている。「したがって少量のカフェインを摂取させ、感じられる疼痛を軽減することができれば、その運動を続けさせるのに役立つかもしれない」。

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2009.4.7 提供:WebMD