和歌山県みなべ町は16日、特産品の梅に糖尿病治療などに利用されている「α-グルコシダーゼ阻害剤」の効果がある成分が含まれていることを、県立医科大の研究グループなどとともに解明し、特許を取得したと発表した。
古くから「梅干しは体によい」などと言われてきたが、具体的な効果を検証しようと、県立医科大や近畿大などの8機関が2001年から、研究を重ねてきた。昨年2月には、胃潰瘍(かいよう)などの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を抑制する物質があることを解明、特許を取得している。
今回の特許では、食後高血糖を改善するために服用されているα-グルコシダーゼ阻害剤の効果がある成分が、梅にも含まれていることを突き止めた。動物実験などでは、糖尿病の予防効果もあったという。
同町役場で記者会見した宇都宮洋才・県立医科大講師は「研究が続いており、具体的な成分などは公表を控えたいが、言い伝えられてきたことが、科学的に裏付けられたと思う」と話していた。
特許の取得を受け、町は梅のこうした効果を積極的にPRしていく。