サフランの黄色色素、大腸がん予防に効果


 香辛料や食品着色料の原料となる植物、サフランの雌しべなどに含まれる黄色色素が、大腸がんの予防に効果があることを、東海中央病院(岐阜県各務原市)の川端邦裕内科医や長崎国際大学薬学部などの研究グループが突き止めた。

 研究成果は、22日から岐阜市で始まる日本がん予防学会で発表される。

 この黄色色素は、緑黄色野菜などに含まれる化合物カロテノイドの一種「クロシン」。研究グループは、昨年4月から1年かけて、発がん性物質を投与した生後4週目のマウスに、3種類の濃度のクロシンを混ぜた餌を与え、変化を調べた。

 マウスの大腸内にがんが出来るかや、がんによる大腸粘膜の炎症の様子を比較したところ、実験開始から18週目には、クロシンを投与していないマウスでは1匹あたり3・15個のがんが確認された。しかし、クロシンの濃度が高い餌を食べたマウスは、がんが平均0・5個に抑えられたという。


2012年6月22日 提供:読売新聞