コンドロイチン硫酸が軟骨・皮膚に与える成果確認 ゼリア新薬工業×城西大、薬学会で共同研究発表
ゼリア新薬工業は城西大学薬学部と行っているコンドロイチン硫酸の軟骨および皮膚への影響に関する共同研究において、軟骨細胞の分化を抑制して軟骨形成を盛んにする作用を有すること、また皮膚の弾力性を向上させる働きを担っていることを示唆する新たな成果を、先ごろ開催された日本薬学会第133年会で発表した。
コンドロイチン硫酸の軟骨細胞に対する影響では、培養した軟骨細胞が肥大化軟骨細胞に分化することを抑制し、グリコサミノグリカン産出量を増加させることを確認。コンドロイチン硫酸を構成する糖を添加した場合にはこの作用は示されなかったことで、「コンドロイチン硫酸は軟骨細胞であることを維持し、軟骨形成を盛んにする作用が有すると考えられる」との結論を導いた。
培養した皮膚線維芽細胞にコンドロイチン硫酸を適用した研究では、同細胞増殖を促進し、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸の合成に関わる酵素のｍＲＮＡ発現レベルを優位に増加させ、コラーゲン、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸の産出量を優位に増加させる作用が見出された。また、コンドロイチン硫酸は細胞外マトリックス成分の分解酵素であるＡＤＡＭＴＳ５のｍＲＮＡ発現レベルは減少させたことも踏まえ、「皮膚繊維芽細胞の細胞外マトリックス産生を増加させる作用を示したことから、皮膚の弾力性を向上させる働きを担っていると考えられる」とした。
同社ではコンドロイチン製品を主力商品に展開するメーカーとして、引き続きコンドロイチン硫酸に関する研究を行っていくとしている。
