毎日の緑茶、認知症予防
金沢大の山田教授ら調査 米科学誌に発表
金大医薬保健研究域医学系の山田正仁教授(神経内科学)らの研究グループは15日、緑茶をよく飲む人ほど、認知機能が低下しにくいとする研究成果を米科学誌に発表した。60歳以上の高齢者について、緑茶を飲む頻度別に比較した結果、毎日1杯以上飲む人の発症率は全く飲まない人と比べて約3分の1だった。メカニズムが解明されれば、有効な認知症予防法につながると期待される。
研究は、七尾市中島町の住民が協力し、2007年から13年にかけて行われた。認知機能が正常な60歳以上の723人について、緑茶を「全く飲まない」「週に1〜6回飲む」「毎日1杯以上飲む」の3グループに分け、継続的に認知機能検査や採血検査を実施した。5年間を通し、最終的に490人を調べた。
この結果、認知症の発症や認知機能の低下がみられたのは、緑茶を飲む習慣がないグループでは138人中43人(31%)、毎日飲む習慣があるグループでは157人中18人(11%)だった。
調査では、コーヒー、紅茶についても調べたが、飲む頻度と認知機能との関連は確認されなかった。
研究は、性別や年齢、既往歴など、認知症機能に関連する可能性がある緑茶以外の要素を統計学的に排除して行われた。
山田教授は「緑茶に含まれるカテキンやミリセチンといったポリフェノール類に予防効果がある可能性がある」と話している。
引用:北國新聞 2014年5月16日(金)