MI治療とは、耳慣れない言葉ではないかと思います。
MIとはMinimal Interventionの略で、直訳すると「最小限の侵襲」、つまり、今ある歯をなるべくけずらずに保存しよう、という考え方の事です。 今までの虫歯の治療では、虫歯の所以外も詰め物が外れないようにするために大幅に削らなければなりませんでした。
そして、その場所が再び虫歯になると、さらに削る量が多くなりやがては神経をとり、さらに歯がもろくなっていずれは歯を抜くといった悲しい結末を招きやすかったのです。
MI治療では、基本的に虫歯の所しか削りません。削っておいた穴には「接着性レジン」という材料で、穴埋めをします。これは、歯と同じ白い色をしたプラスチックで、近年研究が進み、歯とくっつけて一体化することができるようになったすばらしい材料です。
こうしたMI治療によっていままでよりも歯を削る量を大きく減らし、しかも治療した後も虫歯になることが少なくなります。
2000年、国際歯科連盟によって提唱された新しい概念で、出来るだけ削らない、出来るだけ歯を残すことを基本コンセプトとする治療方針です。
MI治療の具体的な説明
1.. 初期むし歯は削らずに進行を止めるための環境作りをする
2.. 削るときは出来るだけ小さい範囲にとどめる
3.. 何でもやり直すのでなく出来るだけリペアー(修理)をしてもたせる
4.. むし歯になった原因を科学的に把握し、その原因の除去につとめる
とくに2と3は、私たちが学生の時から教わったことと大きく異なります。当時は修復治療をするときはむし歯の再発の可能性のある所も含めて治療するのが原則でした。当時はむし歯の発生も今よりはるかに多く、また材料も良くなかったので、再発対策が重要だったのだと思います。
いまはその時に比べ、フッ化物の応用などでむしばが少なくなりましたし、良い接着材料などが出た影響で、MI治療が可能になってきたのです。
本当はもう一つ大きな原因があります。それは、歯科治療をしても歯の寿命があまり延びていないという事実が分かったのです。むし歯を治した所の再治療の期間は10年弱といわれています。再治療の度に歯を削る量も多くなりなすので、数回繰り返すうちに歯の方がダメになってしまうことが多いのです。たくさん削る治療では、早く歯がダメになるというのが認識され始めたのです。その為には歯をできるだけ削らない治療、削っても最小限にする治療が必然的に注目されるようになってきたんですね。長持ちするようになります。現在の虫歯の治療は、次第にこの「MI」の考え方が主流になってきています。 当院ホワイトファミリーのドクターたちは全員が毎月ミーティングを通じて、この概念と、技術、さらにはコーディネーターとして患者様に接して効果をあげています。 |